こもれびより ~commoré-biyori~ vol.13 音の遠近感〜「○○語っぽさ」の正体〜 レポート

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202010月24日(土)に、こもれびよりVol.13 音の遠近感〜「○○語っぽさ」の正体〜を開催しました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

今回のテーマを改めて振り返ってみると、イベントのお知らせには以下のように記載したのでした。

外国語学習者が他の誰かの発音を上手だと思うのは、どんな場合でしょうか。
母語にはない異質な音が出せているとき?日本語っぽく聞こえないとき?
外国語を学ぶ際には母語との違いに注目しがちですが、言葉同士の距離は、実は思っているほど遠くはないかもしれません。

今回は、発音に焦点を当てて、こもれびの2人の講師が母語とする日本語と、それぞれが教えている英語・フランス語との間の類似と差異、近さと遠さを考えます。

つまるところ、「日本語」を起点にしつつ、英語とフランス語はそれからどのような距離にあるのか、皆さんと考えてみよう、という試みなのでした。はてさて、どんな結論にたどり着いたことやら。

当日は、「日本語」を表す日本国旗、「英語」を表す英国旗、「フランス語」を表す仏国旗と、それぞれのマグネットシートを用意して、日本国旗は動かさず、英国旗と仏国旗を各人の感覚で動かして、距離を表現してもらいました(ここで「英国旗」としたのはいわゆるユニオンジャックですし、フランス語は例えばカナダやスイスでも公用語じゃないか、というご意見は当然あることは理解しており、このことでも「言語と国家」という重要なテーマを提起してくれるのですが、いったん、それは置いておくことにします)。その上で、それぞれの言語の特徴だと思うことや、各言語の比較などをお話しいただいたわけです。

当然ながら、結果は各人でバラバラ。ただ、とりわけフランス語は日本語から遠い、と感じられている方が多いようで、はじめは正三角形の位置にあった三者でしたが、フランス語がどんどんホワイトボードの端に追いやられ、ともすれば教室を出て行ってしまうのではないか、と思われた場面すらありました。
また、各言語の特徴についても、まったく正反対の意見が聞かれることがありました。例えば、フランス語について「音の純度が高い」と言われた方もいれば、「雑味・中間色がある」と言われた方もいた一方で、「英語の方が色々な音素が混ざっている」と言われた方もいました。

お話の中では「心理的距離」という言葉も出てきました。ご参加いただいた方のほぼ全員が英語とフランス語、両方の学習経験がある方だったのですが、それでもやはり、学校教育で触れることの多い英語の方により「近さ」を感じることの方が多い感触でした。

とは言え、「やっぱりフランス語の発音って難しいよね〜」で終わってしまっては、語学塾こもれびの立つ瀬がありません。ここで塾長・志村の主張を聞いてみるならば、フランス語の方が英語よりも綴りと発音の規則性は明確ですし、実は英語よりも日本語に近い音で発音することもある、ということなのでした。


例えば、ということで挙げられたのが、「トマト」という単語。せっかくこもれびの英語・フランス語講師がそろい踏みしているので、それぞれの言語で「トマト」を何というか、発音してもらいました。
…残念ながらここでその音声ファイルを再生していただくことはできませんが、英語の”tomato”の”t”が”r”のような発音になっていたり、”a”もカタカナでは表しきれないような音であるのに対して、フランス語の«tomate»は、子音も母音も、英語よりは日本語に近い感じがします。
もちろん、この一単語のみをもって、「フランス語は日本語と意外と近いのです」と主張するのはあまりに根拠が弱いですが、「フランス語の発音は何もかもが日本語とは違う」というわけではないこともまた真実だということくらいは言ってもよいのではないでしょうか。

発音というのは、というか外国語というのは本当に難しく、やればやるほど遠のいていく感じすらあるほどです(もっと言えば、だんだんと自分の母語であるはずの日本語ですらよく分からなくなってきて、「あれ、なんで自分は今、目の前のことについて日本語でこう考えたけど、それは本当に正しいのか…?」という疑問を抱くときすらあります)。それに(生まれたばかりの赤ん坊は別として)、成長してから外国語を学ぶ人たちは、ともすれば母語に引きずられてしまう、という辛さもあります。
やればやるほど遠のいて、しかも辛い…。いったいこれはなんの修行なんだ…と絶望してしまいそうですが、せっかくなら発想を逆転させて「あ、これ、母語と近いんだ」という発見を積み重ねることで、少しでも楽しく学習を続けるのが良いのかもしれません。

「他の動物の鳴き声を真似しようとしているのではなく、同じ人間という動物が発音している音なのだから、自分も発音できないわけがない。ただ、個体差というのはあるのも事実なので、極力近い音までは出せるようになるはず」ということを、どこかで誰かが言っていた(か書いていた)と記憶しているのですが、そんな言葉をも励みにしていきたいものです。

さて、次回のこもれびよりは12月19日(土)の開催予定です。内容は未定ですが、また何か、言葉に関する楽しい催しができたらと考えています。

開校時間

平日 18:00~21:30

所在地

〒185-0012 東京都国分寺市本町2-22-2第一鴨下ビル201

代表者

田邉 優

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