• こもれびスタッフ

此処と、何処か

月に一度まわってくるスタッフブログ。

この一か月の間いろんなことを考えて、

書きたいことがたくさん溜まった結果、

大変なことが起こってしまいました。


なんと、


何を書きたかったのか忘れた!!


ので、今回は即興でお送りします。

いきなりですが、スタッフ自慢をさせてください。


https://note.mu/risat/n/n1d44a1d0cfba


ということでこちら。

二年前の夏から様々な面でこもれびを支えてくれた塚本が現在モロッコに留学中で、彼女が現地で感じたことを綴っています。

当スタッフブログにも不定期で「モロッコ便り」を送ってくれていますが、こちらは塚本個人で書いているnote …

塚本、と呼ぶのもよそよそしいので普段のように梨咲さん、と呼ぶことにします。りさnoteです。


実は僕、志村も、モロッコに行ったことがあります。もう5年も前になりますが、フランスでの一年の語学留学を終え、帰国までの余暇を利用して一週間、モロッコを旅行をしました。ただ、現地の言葉を必死に勉強している梨咲さんに比べ、僕は一年かけて身につけたフランス語 – モロッコ人にとっては侵略者の言語 – を使っての旅だったので、体験としてはかなり違うものだろうと思います。


それはさておき、僕は一応、世間で言うところの「留学経験者」なので、これから留学に行くという人から相談を受けるということが今まで何度かありました。

その内容は留学全体にまつわる漠然としたもの、VISAや保険などの書類関係(僕に聞かない方がいい)、語学留学であれば留学前にやっておいた方がいいことや留学中の心構えなど多岐に渡ります。

その都度、僕は答えられる範囲で答えられることを答えてきました。人によっては、本当はあまりしたくないんだけど「こうした方がいいと思う」とアドバイスのようなこともしました。少しでもいい留学にしてほしいという老婆心からですが、留学はその人だけの体験であり、経験です。出来る限り自分で切り拓いてほしい。


でもたまに、留学に行く前から、「あぁ、この人は大丈夫だ」とわかる人がいます。僕なんかが変に助言したりしなくても、この人ならきっと行ける、必ず何かを持って帰ってくる。そう “予感” させる人が、たまにいるのです。


たとえば、梨咲さんがそうでした。


しっかりしてそうに見えて意外とそうでもなかったりして、顔を合わせたときに「どう?準備進んでる?」と聞くと、「いやぁ全然まだなんですよ~」と笑顔で返してきたり、留学に行ってから/帰ってきたらどうしたいかと人に問われても「行ってみないとわからないですよね」と今度はまっすぐな眼差しで答えるのを見て、あぁ、大丈夫だ、と思いました。


留学には得てして「目的」が付き物です。困ったものです。留学前の手続きで書かされたりするんです。「あなたは現地でどんなことを学びたいですか?」「帰ってきたらそれをどんな風に活かしたいですか?」

変な話です。留学は未知との遭遇、新しい体験、自分の小ささを思い知る旅です。着古したパジャマを脱ぎ捨てて、何とも知れないジャングルに裸で飛び込むことです。

まだ見ぬ新種の生命体を探しているのに、「あなたの獲物の体長は?」「可食動物だとしたらどんな調理法がいいですか?」と聞かれたって困り果てる。

答えは一つ。「行ってみなきゃわからない」です。


梨咲さんは今モロッコで、“ダリジャ” と呼ばれるアラビア語のモロッコ方言を勉強しています。僕は勉強したことがないので、これがどれほど難しいのか、どれほど「役に立つ」のか、皆目見当がつきません。梨咲さんもこう語っています。


〝 でも、「どうしてダリジャを勉強しているの?」と尋ねられると、時々答えに詰まってしまう。「興味があるから」「モロッコで暮らす人々の生活やこころに触れてみたいから」という、どことなく捉えどころのない答えしか言えない。将来、モロッコに住みたいとか、モロッコで働きたいとか、心に決めているわけではないのに、モロッコでしか使えないことばを学んで何になるのだろう、と自問自答してしまうことがある。

ダリジャにしてよかったとは思いつつも、このままでいいのか、一抹の不安が残っていた。〟


こうして見てみると梨咲さんの留学の “目的” は、一言で言えば「ダリジャの習得」ということになるでしょう。それじゃ、ダリジャがたいしてモノにならなかったら、モノにしたところであまり役に立たなかったら、この留学は “失敗” でしょうか?


そうは思いません。繰り返しますが、留学に “目的” は付き物です。そしてこれが “達成” できるかどうかは、時間と運と、本人の努力次第。さらに言えばどこを達成とするかの基準次第だし、この基準も本人と周りとではズレていたりします。

でも目的の達成と、帰ってきたときに「留学に行ってよかったな」と思えることは別物です。僕が “大丈夫だ” と思う人は、きっとこの人は後悔しない、そう思える人たちです。


彼らにはなんとなく共通点がある気がします。


一つは、「あまり構えていない人」です。

目的が付き物ということは、それが果たされないかもしれないという “不安” も付き物。これは大きな目標に限らず、「飛行機に乗って到着する」ことも一つの目標です。だから構えすぎてしまうと、「留学中」と、「帰ってきた後」という二つの未来に出発前から縛られ、不安に苛まれてしまいます。

「構えていない」人は、「まぁなんとかなるさ」と、違う仕方で “構えて” います。それは未来ではなく今に対する、不安より楽しいことへの構えです。


そして二つ目は、「今、此処で学んでいる人」です。

“此処で” の学びを怠って、あるいは投げ捨てて、“何処か” へ行けばそれが出来ると思っている人は、高い確率で「失敗」します。これは上の「なんとかなるさ」とも違う、ただ「どうしようともしていない」人です。

対して「成功」する、つまり留学に行って、何か大切なものを見つけて帰って来れる人は、すでに “此処で” 学んでいます。パジャマじゃつまらないと、代わり映えのない日常の中にいても自分に似合う服を探せる人です。

そして「此処で学べる」人は「何処でも学べる」ので、「此処ではない何処か」では、「此処での学び」とは違った学びを得られます。


〝日本に帰ったらダリジャはあまり役に立たないだろうし、あっという間に忘れてしまうかもしれないけれど、ダリジャを学んだことが時間の無駄遣いだった、などということにはならないと確信している。〟


この文章を読んで、僕の「大丈夫」という “予感” も “確信” に変わったよ。


〝完璧じゃなくていいから、今は、真摯にダリジャと向き合って、この世界に思う存分浸りきろうと思う。〟



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