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モロッコ便り ~遅れてやって来たボトルメール③

こんにちは、塚本です。

昨年滞在していたモロッコでの日記を掘り起こす、第3回目です。

今回は、靴売りのおじさんの家を訪問させてもらった週末の記録をお届けします。



(①はこちら、

https://www.commorebi.com/post/%E3%83%A2%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B3%E4%BE%BF%E3%82%8A-%E9%81%85%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9D%A5%E3%81%9F%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB


②はこちらからお読みいただけます。

https://www.commorebi.com/post/%E3%83%A2%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B3%E4%BE%BF%E3%82%8A-%E9%81%85%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9D%A5%E3%81%9F%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB-1



11月23日(土)


靴売りのおじさんが家族に会わせてくれると約束をしていたので、今日は泊まれるようにリュックサックに荷物を詰めて向かった。


おじさんの仕事が終わるまで、いつものように道端に腰かけて道行く人を観察する。そうしていると、一人の男の人が200ディルハム札(一番額の大きいお札。日本円にしてたいだい2000円)をおじさんに渡した。両替を頼まれたようで、彼は近くの店まで小走りで行ってそのお札をくずして帰ってきた。両替を頼んだ男性は彼に20ディルハムを渡して去っていった。後で聞くと、その人はすぐ裏にある郵便局の職員で、こうして頻繁におじさんによくしてくれるのだということだった。


私は4時過ぎからおじさんの傍らに座っていたが、今日は靴を見ていく人が全然いないと思って、お客さんが来たか聞いてみた。

「今日は朝に靴を買っていたお客さんがいたよ。でも後払いってことでお金は受け取ってない。」

―そうすると、その人が後でお金を払ってくれるかはわからないね。

「僕にできることは何もないさ。それが商売ってものだから。それに、アッラーは見ているから。」


いつもは8時まで働くおじさんが、今日は私を家に招待するからと、普段より早く6時過ぎに仕事を切り上げた。出発する前にこのようなことをおじさんは言った。

「家に帰るには、まずフェズ駅のそばからバスか、グランタクシーに乗る。で、その乗り場まで歩くけど、一緒に並んで歩くと警察に偽のガイドだと思われてしまうから、並んでは歩かない。ただ後ろからついてきて。もし警察に、彼は偽ガイドじゃないのかと聞かれたら、「いいえ、彼は私に道を教えてくれているだけです」って答えるんだ」。


歩き始めると、彼は振り返ることなく、早歩きでどんどん歩いていった。途中、ハヌート(コンビニのような、食料や生活用品が売っている商店)に寄って、家族の携帯のデータチャージのためのスクラッチカードと、私のために板チョコまで買ってくれた。

フェズ駅近くのタクシー乗り場で、おじさん一家が住むアイン・アッラー(عين الله)行きの乗り合いタクシーに乗り込む。タクシー代は1人6ディルハム。まずは、このタクシーが引き返す地点まで乗っていき、そこでいったん降りて、さらに先に行くために別のタクシーに乗り換える。灯りが少なく辺りは暗かった。しかし運よく、降りたタクシーの目の前にすでに他の乗客を待っているタクシーが止まっていたので、すぐに乗り換えることができた。助手席に1人、後ろの列に私とおじさんが乗ったが、まだ乗客を待つのか、長いこと待った。この時間だと、ここから先に行く手段がもうないから、他の人が来ないか長く待っていたのかもしれない。


家へ通じる道の曲がり角の手前でタクシーを降りた。この道は舗装されておらず、雨が続いていたせいで土がぬかるんでいた。街灯も全くないので、真っ暗だ。

ここにちょうどいいタイミングでおじさんの娘さんと息子さんが迎えに来てくれた。2人が持って来てくれた長靴に履き替え、懐中電灯で照らしてくれる道を歩いた。


8時ごろ家に着いて、ご家族と初対面。自己紹介をすると、ちょっとゆっくりしててとお母さんが言ってくれたので、子どもたちと一緒にリビングでくつろがせてもらう。

すると、テレビで日本の番組も観れるよ!と言って、娘の一人がNHKワールドにチャンネルを変えた。日本のどこかの豪雪地帯の映像が流れ、そこの地域の人が冬の間にやる手仕事のことをその土地の方言で語っていた。




そうこうしているうちに、夕食の時間になった。

お母さんがゲストを迎えるために準備してくれたという豪華な夕食をたらふくいただいた。

豪華すぎて、こちらがお邪魔させてもらっているのに…とどんどん申し訳ない気持ちになった。




11月24日(日)


起きたらもう10時だった。すでに起きていた子が昨日の夕食の食器を洗っていて、お母さんは朝食を準備していた。おじさんは庭をぐるっと案内してどんな草木があるのか説明してくれる。ミント、いろいろな種類のハーブ、マンダリンの木など、たくさんの植物が育てられていた。庭の奥のほうにはトタンで作った壁があって、その壁の向こうで鶏が飼われていた。

そういえば、玄関もトタン板だった。すき間が開いているので野良猫は出入り自由で、たまにネズミをくわえて行ってくれる姿を見た。

長女(18歳)が屋上を見せてくれて、上ると、隣の家で飼われている馬が見えた。このあたり一帯に住んでいる人は親戚が多いとのことだった。


11:30。庭にテーブルと椅子を出して朝ごはんを食べる。

パンとハルシャ(セモリナ粉を使った、ボソボソした食感のパンケーキのようなもの。朝食やおやつの定番)は外で買ってきたものではなく、自家製なのだそう。




その後、昼食までご馳走になって、5時ごろに家を出た。

お母さんの兄弟がフェズに住んでいて、今夜、割礼(اللختانة)で親戚の集まりがあるというので、次女と三女とお母さんの3人と一緒にフェズまで行けることになった。お世話になったおじさんと長女、そしてお母さんが行ってしまうのが悲しくて泣く長男(6歳)にお別れの挨拶をして外へ。


まだ明るかったので、ぬかるんだところを避けながら、メインの道路までたどり着く。そこで、車が来るのをしばらく待ち、通りがかった車に乗せてもらった。この車はタクシーというわけではなさそうだし、運転していた人と顔見知りなのかもわからなかったが、ごく自然な流れで車に乗せてもらうことができた。普段からバスターミナルまで行き来する際にはこうして車を持っている人に助けてもらっているのだろうと思った。


この町は近くにある温泉が有名で、バスに乗ると、大きな桶を持った人が多く乗っていた。私たちが乗ったのは早い方だったので席に座れたのだが、後から乗ってきた人が私の隣に座っていたお母さんに向かって、何やらものすごい勢いでまくし立てた。会話に全くついていけなかったけれど、その人は小さな子供を連れていたので座りたいのだろうと思って私が席を譲ろうとしたら、お母さんは「あなたはこのまま座ってていい」と鋭い目つきで言った。何が起きたのかわからないやら、申し訳ないやらで、窓の外ばかりを見てやり過ごした。


一緒に来た3人が降りる停留所の方が先だった。お母さんは私に降りるべき停留所を何度も念押しした上に、近くの乗客に「この子はこの停留所で降りるので教えてあげてください」と言い、私には「降りるべきところで降りられたら電話してね」と言ってから降りて行った。

こうして私は1泊2日の小旅行から無事にフェズに戻って来た。


開校時間

火~金 16:00~21:30

所在地

〒185-0012 東京都国分寺市本町2-22-2第一鴨下ビル201

代表者

田邉 優

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